生ごみ処理機の電気代と、毎年かかるお金の考え方
生ごみ処理機の電気代は電力10社で1.37倍の差、機種では2.52倍の差。どこに住むかより、どれを買うかのほうが効きます。消耗品まで含めた年間費用を7機種の実データで比べました。
この記事の内容
電気代だけで機種を選ぶと、たいてい外します
生ごみ処理機を調べていると「1回あたり約20円」といった表示をよく見かけます。ただ、この数字だけで機種を決めると、実際に払う金額とはずれます。
理由は単純で、毎年かかるお金は電気代だけではないからです。乾燥式の処理機は脱臭フィルターや消臭炭を定期的に交換します。この費用が、機種によっては電気代を上回ります。
7機種について、電気代と消耗品費を合わせた年間費用を並べてみます。週3回(年156回)使う前提で、電気代の幅は最も安い九州電力管内から最も高い北海道電力管内までを示しています。
| 機種 | 電気代(年) | 消耗品(年) | 合計(年) |
|---|---|---|---|
| 島産業 PCL-31 | 2,720〜3,731円 | 4,342円 | 7,062〜8,073円 |
| 島産業 PCL-33 | 4,078〜5,594円 | 3,323円 | 7,401〜8,917円 |
| 島産業 PCL-35 | 3,928〜5,388円 | 3,960円 | 7,888〜9,348円 |
| パナソニック MS-N53XD | 8,759〜12,017円 | 0円 | 8,759〜12,017円 |
| 島産業 PPC-11 | 6,798〜9,325円 | 5,788円 | 12,586〜15,113円 |
| 島産業 PPC-51 | 5,590〜7,668円 | 7,108円 | 12,698〜14,776円 |
| パナソニック MS-N25-H | 4,227〜5,800円 | 13,577円 | 17,804〜19,377円 |
(2026年9月時点の電力単価とメーカー公表値・公式ストア価格による概算)
表の並びを見ると、電気代の順番と合計の順番が入れ替わっているのがわかります。
パナソニックの2機種で、脱臭のしくみが違います
いちばん極端なのがパナソニックです。同じメーカーでも、脱臭の方式が機種によって分かれています。
| 機種 | 脱臭のしくみ | 消耗品 |
|---|---|---|
| MS-N53XD | プラチナパラジウム触媒 | 交換不要(0円) |
| MS-N25 | 消臭炭 MS-KTN3 | 3〜4か月ごと・年13,577円 |
MS-N53XD は触媒でニオイを分解するため、フィルターの交換がありません。電気代は7機種で最も高いのですが、消耗品がゼロなので年間合計では中位に上がります。
反対に MS-N25 は消臭炭の交換が要ります。1個3,960円を3〜4か月ごとなので、年に3回強。電気代は中位なのに、年間では7機種でいちばん高くなります。
「パナソニックは消耗品がかからない」という覚え方をすると、ここで外れます。
島産業の脱臭フィルターは、機種ごとに値段が違います
島産業(パリパリキュー/キューブライト)はすべての機種で脱臭フィルターを交換します。交換の目安は1個あたり約4〜9か月です。
| 機種 | フィルター品番 | 2個入り価格 | 年あたり |
|---|---|---|---|
| PCL-33 | PCL-33-AC33 | 3,600円 | 約3,323円 |
| PCL-31 | PCL-31-AC33 | 3,980円 | 約4,342円 |
| PCL-35 | PCL-35-AC33 | 4,290円 | 約3,960円 |
| PPC-11 | PPC-11-AC33 | 6,270円 | 約5,788円 |
| PPC-51 | PPC-51-AC33 | 7,700円 | 約7,108円 |
年あたりの金額は交換間隔の中央値(6.5か月)で計算したものです。交換の目安に4〜9か月と幅があるため、実際にはこの金額の0.7〜1.4倍くらいに振れます。生ごみの量が多い家庭ほど早く交換することになります。
本体が安い機種でも、フィルターが高ければ数年で差は縮みます。本体価格を比べるときは、フィルター代も並べて見てください。
地域による差は1.37倍、機種による差は2.52倍
電気代は住んでいる地域でも変わります。大手電力10社の実効単価(2026年9月時点)を並べると次のようになります。
| 電力会社 | 実効単価 |
|---|---|
| 九州電力 | 30.01円/kWh |
| 関西電力 | 32.03円/kWh |
| 北陸電力 | 32.26円/kWh |
| 中部電力ミライズ | 32.48円/kWh |
| 東北電力 | 33.28円/kWh |
| 東京電力エナジーパートナー | 34.12円/kWh |
| 中国電力 | 35.15円/kWh |
| 四国電力 | 35.78円/kWh |
| 沖縄電力 | 38.78円/kWh |
| 北海道電力 | 41.17円/kWh |
最も安い九州電力と最も高い北海道電力で 1.37倍です。同じ機種を使えば、電気代の差もそのまま1.37倍になります。
一方、同じ地域で機種を変えた場合の差は、消耗品まで含めると 2.52倍です。
どこに住んでいるかより、どれを買うかのほうが効きます。
引っ越しはできませんが、機種は選べます。地域差を気にするより、機種の年間費用を比べたほうが効果があります。
単価の内訳について
上の実効単価は、次の3つを足したものです。
- 電力量料金の単価(第2段階。4人世帯の使用量が概ねこの帯に入るため)
- 燃料費調整額(2026年9月分)
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金(4.18円/kWh・全国一律)
基本料金は含めていません。生ごみ処理機を1台増やしても契約アンペアが上がらない限り基本料金は変わらないため、追加でかかる分だけを見るには含めないほうが実態に合います。
国の電気・ガス料金支援による値引き(2026年7〜9月使用分のみ)も含めていません。3か月限定の措置なので、織り込むと期間が終わった後にすべての数字がずれてしまうためです。
なお燃料費調整額は毎月変わります。この記事の数字は2026年9月時点のもので、当サイトでは四半期ごとに見直しています。
カタログの「省エネ」「エコ」は、そのままでは比べられません
機種を比べるとき、カタログの「省エネ設計」「エコモード搭載」といった表記はあまり役に立ちません。基準がメーカーごとに違うためです。
比べるなら、**メーカーが公表している「1回あたりの電気代」**を見てください。多くのメーカーが31円/kWhで計算した金額を出しているので、機種間で比較できます。
注意したいのが、定格消費電力(W)から自分で計算しないことです。乾燥式はサーモスタットで加熱を切ったり入れたりしながら運転するので、定格のまま回り続けるわけではありません。「500W × 6時間 = 3kWh」のように計算すると、実際よりかなり多く見積もることになります。
公表されている1回あたりの電気代がない機種は、正直なところ比較できません。当サイトでも、公表値のない5機種(PCL-35F2・PPC-15・NA-2・RDP-1・RDP-2)については電気代を表示していません。推測した数字を出すより、出さないほうが誠実だと考えています。
ごみ袋代で元は取れるのか
生ごみ処理機を導入すると、生ごみが乾いて軽く小さくなります。指定袋が有料の自治体なら、袋代が減ります。
ただ、袋代の節約で電気代と消耗品費をまかなうのは難しいのが実情です。
生ごみは家庭ごみの重量では3〜4割を占めますが、袋は体積で消費します。体積で見ると生ごみは2割程度で、45L袋を週2枚使う家庭で減るのは年20枚前後。1枚80円なら年1,600円ほどです。
これに対して年間ランニング費は、いちばん条件のいい組み合わせでも年7,062円。相殺するには指定袋が1枚137円以上必要ですが、実在する指定袋はいちばん高いものでも100円前後です。
つまり、どの機種・どの地域でも、金銭面では持ち出しが残ります。「数年で元が取れる」と書いているサイトもありますが、消耗品費を計算に入れていないことが多いようです。
袋代で効くとすれば、枚数を減らすことより 45Lから30Lへサイズを落とせることです。1枚あたりの単価そのものが下がるので、こちらのほうが効く自治体があります。お住まいの自治体の記事に簡易計算を用意しているので、ご自身の使う枚数で確かめてみてください。
それでも導入する理由になるもの
ここまで金額の話をしてきましたが、実際に使っている人が挙げる利点は、金額に表れない部分に多くあります。
- 袋が軽くなる:水分が抜けるぶん、ごみ出しが楽になります
- 夏場の臭いが出にくい:生ごみを三角コーナーに置いておく時間が減ります
- コバエが寄りにくい:発生源が減ります
- ごみ出しの回数を減らせる:袋がいっぱいになるまでの時間が延びます
補助金でいくら下がるかは自治体によって違います。お住まいの市区町村の制度は、都道府県別のページから確認できます。
お住まいの都道府県から探す
関東 茨城県/栃木県/群馬県/埼玉県/千葉県/東京都/神奈川県
中部 新潟県/富山県/石川県/福井県/山梨県/長野県/岐阜県/静岡県/愛知県
近畿 三重県/滋賀県/京都府/大阪府/兵庫県/奈良県/和歌山県
中国・四国 鳥取県/島根県/岡山県/広島県/山口県/徳島県/香川県/愛媛県/高知県
九州・沖縄 福岡県/佐賀県/長崎県/熊本県/大分県/宮崎県/鹿児島県/沖縄県
この記事の数字について
- 電力単価は大手電力10社の規制料金(従量電灯A・B)を各社公式の公表値から集計したものです(2026年9月分)。新電力への切り替えは考慮していません
- 消費電力量はメーカー公表の「1回あたりの電気代」を31円/kWhで割り戻した値です
- 消耗品費はメーカー公表の交換目安と、公式ストアまたは実売の部品価格から算出しています
- 使用回数は週3回(年156回)・4人世帯を前提にしています
- いずれも概算です。実際の金額は使い方・契約プラン・生ごみの量によって変わります